頸肩部痛に対する症状部位への刺鍼は一般的な保存療法と比較しても、より高い効果が期待できる優れた治療法です。
頸椎(首の骨)は、日常生活で大きな可動域(動く範囲)を保ちながら、常に重い頭を支えるという静的(動きのない)負荷を強いられています。可動性と支持力という相反する機能を有するために、頸椎は退行変性(加齢性の変化)が起こりやすく、頸肩部痛の多くは退行変性を基盤として出現します。
痛みがそれほど酷くなければ鍼で、痛みが酷くなったら病院へ…と考えている方も多いかもしれませんが、そうとは限りません。頸肩部痛に対する治療として、鍼治療と局所注射の効果を比較したこんな研究結果があります。
頸肩部痛に対して、症状部位へ鍼または局所注射のいずれかを行い、2つの治療法の効果について、ランダム化比較試験を行いました。
直後効果、継続効果(治療を繰り返した際に見られる効果)、持続効果(治療を止めてから一定期間経過した時点での効果)、何れに関しても鍼治療の方が高い効果が得られるという結果が示されています。