弾発指(ばね指)は、早めに鍼治療を開始すると効果的です。
弾発指(ばね指)は、手のひら側の腱が腱鞘内(腱が通るトンネル)をスムーズに滑走できなくなることによって、指の屈伸時に弾発現象が起こる病気で、腱鞘炎の一種です。
発症要因のひとつに、女性ホルモンの変動が関与していると考えられ、妊娠、出産、閉経後の女性に多く見られます。
腱鞘の変性(肥厚、石灰化)が生じると、手術を要する場合もありますが、注射などの保存療法が一般的です。
ですが、手のひらの注射はかなり強い痛みを伴います。
鍼は注射針と比べるとかなり細く、薬を注入しないため、少ない痛みで済みます。
弾発指(ばね指)に対する鍼治療の効果を検証するとともに、罹病期間(発症してからの期間)による効果の違いを検討した報告があります。
5回ほど鍼治療をすると、徐々に症状が改善します。
注射は、薬液(ステロイド)を使用するため、1~2回程度しかできませんが(頻回に行うと腱が切れてしまう)、鍼治療は、そのようなことは起こらないので、さらに複数回また頻回にトライすることができます。
罹病期間(発症してからの期間)が短い人の方が、治療効果が高い傾向が見られます。
さらに、鍼治療の効果と罹病期間(発症してからの期間)との関係性を検証すると、期間が短い方が高い効果が得られることが分かっています。
罹病期間が長いと、腱鞘の変性が生じる可能性が高く、そうなると注射や鍼などの保存療法は効かなくなります。
症状が現れたら早めに治療を開始しましょう。