鍼をすると、「筋肉がゆるむ」と言いますが…本当でしょうか?
鍼刺激には、筋(筋肉)の弛緩作用があります。
鍼をすると筋肉がゆるむ、とよく聞きますが、その現象を捉えた研究はとても少ないのが現状です。
鍼をした前後に皮膚表面からの加圧(圧すること)により硬さの変化を見た報告はありますが、これは厳密に言うと、筋肉の硬さのみを捉えたとは言えません。
過剰に緊張した筋肉が弛緩することの意義は、皮膚表面から押さえた時の硬さの変化ではなく、関節の可動性の変化や可動時の円滑性に影響を与えることです。
鍼をした際の筋肉の伸長張力(関節可動性、円滑性を表す)の変化を観察した研究結果があります。
鍼をすると、直後の筋の伸長張力が低下します。
鍼をすると、刺激直後において、筋肉の伸長張力が低下する、つまり、関節の可動性や円滑性が増すことが示されています。
筋弛緩(筋肉がゆるむこと)の意義は、触った時の軟らかさはなく、関節の動きが大きく、スムーズになることです。
※鍼で取り除くのは、筋肉の生理的(必要)な緊張ではなく、異常(不要)な緊張です。